お薬について

漢方薬の選択で絶対に間違ってはいけないポイント

2024年7月23日

 

こんにちは!

いかがお過ごしでしょうか。

 

7月も残り1週間となりましたね。

 

今年の2月に、全12回(12ヵ月間)に渡って、

中医学の基礎理論とドラッグストアで販売されている漢方処方を網羅する

「中医学マスターコース第1期」をスタートさせたのですが、

今月で半分が終了して「折り返し地点」に差し掛かったところです。

 

ここ数年、ツムラさんやクラシエさんはもちろん、ロート製薬さんや小林製薬さんからも

次々と漢方処方がリリースされていますよね。

 

私がドラッグストアでまだ現役だった頃(約13年前)には、

私が勤務していた店舗では市販の漢方処方の数は10種類ほどしかなく、

漢方薬の購入を目的に来店されるお客さまもそう多くなかった

印象があるのですが、この5ー6年でかなり増えていますよね。

 

その証拠に、登販さんから私のところに届くご質問メールの内容も、

漢方薬に関するものがとても増えてきています。

 

ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、

クラシエの赤の錠剤シリーズ、青の顆粒シリーズ

というのが、昔からあったものの、、、

パッケージからしてとっつきにくい感じでした。

 

 

 

 

 

 

でも、今では漢方薬のパッケージもだいぶポップな感じになってきましたし、

効能なども分かりやすく外箱に記載しているので、

セルフで購入されるケースも増えてきていると思います。

 

葛根湯は風邪のひきはじめに飲むもので、

すでに発熱や発汗をしていたり、喉の痛みが強い場合には、

飲むことで逆に病状を悪化させてしまうリスクがあることは、

みなさんもご存じだと思いますが、

 

これは、葛根湯には体温を上げる働きがあるためですよね。

体に熱源を投入するために服用するのが「葛根湯」です。

 

ですので、すでに高熱が出ていたり、発汗している人、

喉の熱感や炎症をともなう咳をしている人などには、

提案してはいけません。

 

こんな風に、漢方薬を提案する際には、

絶対に間違ってはいけないポイントというのがあるわけですね。

 

本来は、中医学の基礎理論をしっかり学んで、

証の見立てや処方の効能、生薬それぞれの働きなどを

勉強していった方がいいのですが、

 

今回は絶対に間違っていはいけないポイントについて、

ザックリと2つ解説したいと思います。

 

 

「実」と「虚」の切り分け

 

漢方処方の効能に「体力が中程度・・」などと

いわゆる「しばり」が記載されているように、

処方を選択する際には「虚・実」の切り分けが必要です。

 

体格がしっかりしているとか、体力がある、無いというだけでななく

その人の体に余分なものがあって、それが悪さをしているのか、

それとも、何かが不足していて、その不足によって不調が出ているのか、

を見ていくのが「虚実」の切り分け。

 

たとえば、同じ「浮腫み」でも、体の水分代謝が悪くなっていて、

余分な水が体に残っていて起きている浮腫みと、

気や血が不足しているために巡りが悪くなって起こる浮腫みでは、

前者は「実」となり、後者は「虚」となるため、用いる処方が異なります。

 

すでに何かが不足している人(虚証)に対して、瀉する処方を用いてしまえば、

より体力を消耗させてしまいますし、

 

余分なものが体に溜っている人(実証)に、気血などを補いすぎると、

詰まらせてしまったり、巡りを滞らせてしまうこともあるわけです。

 

処方の具体例を挙げれば、

前者では余分な水を取り除く処方である

苓桂朮甘湯や五苓散が選択肢になりますし、

 

後者では足りない血を補いながら利水するはたらきもある

当帰芍薬散などを用いることがあります。

 

 

「寒と「熱」の切り分け

 

先ほど、葛根湯の例でも書いたように、

処方を選ぶ際には「寒・熱」の切り分けも重要です。

(これが一番重要と言っても過言ではありません)

 

漢方処方には、体を温める処方と、熱を冷ます処方があり、

(一部には、どちらの働きも持たないものもあります)

ここの切り分けを間違うと病状を悪化させる可能性があります。

 

 

「寒熱(かんねつ)」の「寒(かん)」とは、

本人も体の冷えを自覚していたり、他人が触って冷たく感じる場合をいいます。

「寒」の状態では喉があまり渇かないのが特徴で、

体温計で実際に体温が高くなっていても、本人が「寒い」と自覚していれば、

これを「寒」と判断します。

「寒」の状態では、冷えると症状が悪化しやすく、

温めることで改善が見られることがあります。

 

一方の「熱(ねつ)」は、寒と同じく体温計での体温上昇とは直接関係ありません。

平熱であったとしても、本人が熱感や火照りを感じていて、

喉が渇いたり、冷たい水などを欲している場合や、

体を温めると症状の悪化が見られるような場合には「熱」と判断します。

 

 

この「寒熱」を見誤ってしまうと、

冷えている人を、より冷えさせてしまったり、

熱がこもって苦しい人をもっと温めて苦しめてしまったりするので、

 

温める処方なのか、熱を取ってくれる処方なのか、

またはどちらの働きも持っていない処方なのかなど、

店頭にある漢方処方の特徴を理解しておくことが大事ですね。

 

おそらく、今後はもっと漢方処方の種類が増えていくはずですので、

今現在、店頭に並んでいる商品について勉強してみてください☆彡

 

 

最後までお読みいただき、

ありがとうございました!

m(_ _)m

 

 

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