お薬について 登録販売者について

町の電気屋さんに学ぶ薬屋の在り方

 

こんにちは!

いかがお過ごしでしょうか。

 

登録販売者講師の仲宗根です。

私が住む沖縄も少し寒くなり、半袖を着る機会が少なくなりました。

雨の日が続いているので、日課のランニングもできず、運動不足の日々が続いています(^_^;)

 

 

町の電気屋さんが生き残っている理由

 

さて、先日、知り合いが個人経営している薬局に薬を買いに行ったのですが、10坪ほどの小さなそのお店は、店内にソファがあって、ゆっくり座って相談ができるスポットが用意されています。

 

私の実家も薬店を経営していたのですが、実家の店でも同じようにソファが置かれていて、お客様がゆっくり相談できる場所が用意されていました。

 

利益や効率を考えると、きっと生産性は低いのかもしれませんが、困った時には相談できる・・という安心感はあったでしょうし、薬屋はその町の人達の「駆け込み寺」のような役割を果たしていたと思います。

 

実家の薬屋は長い間同じ場所で営業していたので、常連さんも多く、親子3代に渡って通っていただいていたり、、、

 

高齢のお客様には重い荷物を車で配達して差し上げたり、「薬の使い方が分からない」と電話がかかってきたら、ご自宅までお伺いして説明したりすることもありました。

 

1980年代後半、ドラッグストアチェーンが全国的に出店し始めてから、こうした町の小さな薬屋は価格競争に負け、だいぶ少なくなってしまいましたが、電気屋さんの業界では、こんなに大型の家電量販店が増えても、町の電気屋さんは生き残っていたりします。

 

というか、あらためて存在価値が見直されてきていますよね。

 

品揃えや価格でいうと、個人の電気屋さんは大型量販店には適わないと思うのですが、町の電気屋さんは、そこで勝負していないんですよね。

 

壊れた時にすぐに修理に来てくれたり、その人の生活や家の環境に応じた商品を把握して商品を提案してくれたり、買った後、商品の使い方を丁寧に教えてくれたり、

 

町の電気屋さんについている顧客は、「1円でも安く商品を買う」ことよりも、多少高くても「安心して買える」ことや、「困った時に親身になってサポートしてくれる」ことに、価値を感じている方々なのだと思います。

 

大型店は品揃えも多く、価格も安くて便利なのですが、個人に合わせたきめ細やかなサービスは難しいですね。

 

大型店には大型店の役割やニーズがあり、町の小さな電気屋さんには、その店にしかできない役割やニーズがある。

 

これは薬屋業界でも同じことが言えるのではないかと思います。

 

スーパーのように野菜やお酒、食品も何でも買えるドラッグストアももちろん便利ですが、個人のニーズに応えるのは限界があります。

 

家電業界では、個人経営の電気屋さんも、大型店と同じ卸価格で商品が仕入れられる仕組みがあったりして、大型店と個人店が連携できる仕組みが整っていることも、個人店が生き残れている大きな理由だと思います。

 

売る側が自分たちの利益よりも、消費者への貢献を第一に考えているから、こうした仕組みが出来上がったのかもしれません。

 

ドラッグストア業界も、品揃えや価格でお客様を呼び込む商売から、価値を感じてもらえる商売へと変容していく時期に差し掛かっているのではないでしょうか。

 

商品を販売して得る利益だけを追いかけるのは、持続可能な売り方ではないと感じます。

 

ここ数年、家電業界で町の電気屋さんのニーズが高まってきているように、薬屋業界でも、小さな薬屋の役割が見つめ直されつつあると感じています。

 

病気になってから薬を買いに行くのではなく、日頃の健康管理やダイエット、介護や子育てなど、日常生活の中で起こる不調を気軽に相談できる場所として、薬屋が機能していくように、業界にいる者の一人として、力を尽くしていきたいです。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

m(_ _)m

 

 

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