勉強法について

学習用語と生活用語──登録販売者に必要な「読み解く力」を鍛えるために

こんにちは!

いかがお過ごしでしょうか。

12月に入り、私が住む沖縄もやっと寒くなり、

今日はセーターを着用しています☆

昨日から全国的に冷え込んでいるようですので、

皆さんも風邪などにお気をつけくださいね。

さて、今日は合格後の学習のコツについて

「言語」の視点から書いてみたいと思います。

どうぞお付き合いください。

 

学習用語と生活用語のちがい

登録販売者として日々学習していると、

同じ「日本語」で書かれた文章なのに、

なぜか理解しづらい文章と、

スッと頭に入ってくる文章がありませんか?

その違いの正体が、「学習用語(学習言語)」と

「生活用語(生活言語)」です。

この2つの言語の違いを理解しておくことは、

専門家として知識を積み上げていくうえで、

実はとても重要です。

 

とくに登録販売者は、

書籍・添付文書・ガイドライン・法令文書など、

学習用語で書かれた情報を

正しく読み取る力が求められます。

 

一方で、近年はSNSやYouTubeなど、

生活用語で解説された情報に触れる機会も

圧倒的に増えています。その結果、

「なんとなく理解した気になれるのに、

実際の知識として定着していない」

と感じる登販さんも少なくないと思います。

 

なぜ学習用語と生活用語の違いを理解する必要があるのか?

登録販売者として、どのように使い分け、

どのように学習に活かすべきか?

という点を体系的に整理していきます。

 

学習用語とは何か──“正確さ”を最優先にした人工的な言語

学習用語とは、

知識や情報を正確に伝達する目的で作られた人工的な言語

です。

教科書、専門書、医学書、添付文書、

新聞の解説記事などは、

ほとんどが学習用語で書かれています。

 

■学習用語の特徴

・論理的で明確

・定義がはっきりしている

・曖昧さを排除している

・受け取り手による解釈のズレが生じにくい

・文章構造が「情報伝達」を目的に最適化されている

 

つまり学習用語は、「読み手が誤解しないよう、あえて厳密に作られた言語」といえます。

たとえば医学分野の定義は非常に厳密です。

「炎症」「感冒」「気管支収縮」「消化管運動」など、

どれも具体的な状態を正しく示すために、

専門的に定められた意味を持っています。

同じ言葉でも、日常会話のイメージとは

異なることも多いため、

学習用語で書かれた文章を読むには、

一定の“読解力”が必要になります。

 

生活用語とは何か──“直感的で伝わりやすい”自然言語

生活用語とは、日常生活の中で使われ、自然に身に付く言語です。

家族との会話、SNSの投稿、YouTubeでの説明、

友人との雑談──これらはすべて生活用語です。

 

■生活用語の特徴

・直感や経験で理解しやすい

・曖昧さが許容される

・文脈やニュアンス、感情で意味が補われる

・個人によって解釈が異なりやすい

・難しい専門言語を噛み砕く役割を持つことも多い

 

生活用語は、本来の意味にこだわりすぎず、

感覚的に使われる場面も多いため、

わかりやすい反面、厳密な学習には不向きな面があります。

 

たとえば、接客でよく耳にする

「胃が弱ってる気がする」

「風邪っぽい」

「アレルギーが出てる気がする」

などの訴えは、医学的には定義できない

曖昧な表現が普通に使われます。

 

SNSやYouTubeで説明が「わかりやすい」

と感じるのは、この生活用語で翻訳してくれるからです。

 

登録販売者にとって“両方の言語”が必要な理由

登録販売者は、一般のお客様と専門知識の

架け橋になる職種ではないかと思います。

そのため、次の2つの能力が同時に求められます。

 

① 学習用語で書かれた専門情報を正確に理解する能力

例:添付文書、医薬品関連ガイドライン、薬理作用の解説、病態生理の説明など

 

② 生活用語に置き換えて、わかりやすく説明する能力

例:「胃酸過多」を「胃がキリキリと痛む状態」などに翻訳して伝えるなど

 

この“翻訳力”が登録販売者の価値そのものだと言っても良いかもしれません。

 

しかしここで問題になるのが、

最初から生活用語だけで学んでしまうと、

専門知識が深まらないという点です。

 

SNSや動画のみで学習していると、

わかったつもりになっても、

「書籍を読むと理解できない」

「添付文書の意味がとれない」

「専門的な解説を読むのが苦痛」

という状態に陥ります。

これは、学習用語に触れる経験量が

不足していることが原因です。

 

SNS・YouTubeの“便利さ”と“落とし穴”

最近は学習系SNSアカウントや、

教育系YouTubeチャンネルが非常に多く、

登録販売者向けの情報発信も増えています。

(私も発信しています☆)

たしかに、

・生活用語でわかりやすい

・難しい内容も噛み砕いてくれる

・外出中でも学べる

というメリットは大きいです。

しかしデメリットも明確にあります。

 

■生活用語ベースの学習のデメリット

・正確な定義が抜け落ちる

・本来の専門的な意味が簡略化されすぎる

・作り手の解釈が入るためズレが生じやすい

・「本質的な理解」ではなく「表面的な理解」で終わりやすい

 

つまり、SNSや動画は「導入としては最高」ですが、

専門家としての知識の土台にはならない

ということです。

 

また、投稿者がどのレベルの専門性を持っているか、

どの情報源を参照しているか、

信頼性の判断が難しいという問題もあります。

 

だからこそ、登録販売者が長く活躍するためには、

・学習用語そのものを読み解く力

・専門書を自分で理解する力

を身につけておく必要があるのです。

 

専門家として避けたい“誤解の温床”

生活用語は「便利なようで、誤解しやすい」という性質があります。

登録販売者として専門家を目指すなら、ここを避けたいポイントですね。

 

■例:学習用語と生活用語のズレ

「炎症」 → 医学的には免疫反応全般を指す。
     生活用語では“赤い・腫れた・熱い”(嫌なモノというイメージ)。

「アレルギー」→ 本来は免疫過剰反応。
     生活用語では“なんとなく体に合わないもの”という意味で使われる。

「便秘」 → 医学的には排便回数・性状・排便困難の評価がある。
     生活用語では“毎日出ない=便秘”。

このように、生活用語では本来の定義が曖昧なまま使われるため、

正確な判断が必要な場面では危険です。

お客様に正しい情報提供をするためにも、

まず登録販売者自身が“学習用語で理解できる状態”になることが最優先です。

 

ではどう学ぶべきか?──
学習用語を読む力を鍛える方法

ここからは、学習用語を読みこなす“筋力”を

育てるための実践的な方法を紹介します。

最初は大変に感じても、

続けることで必ず読解力が鍛えられます。

 

① 書籍や添付文書を「繰り返し読む」

学習用語は一度読んだだけでは理解しきれません。

これは才能の問題ではなく、

学習用語とはそういうものだからです。

読めば読むほど、

・文の構造

・専門用語の意味

・情報の整理方法

が理解できるようになります。

最初は「なんとなく雰囲気で読む」だけでも構いません。

少しずつ言語の“型”に慣れていきます。

 

② 読んだ内容をノートに書き出す(アウトプットする)

アウトプットは、学習用語習得の最重要ポイントです。

・人に説明するつもりでまとめる

・図にする

・見出しをつけて整理する

・箇条書きで構造化する

 

こうしたアウトプット行為そのものが、

学習用語を自分の言葉として定着させるプロセスになります。

また、書き出すことで、

・自分が理解している部分

・実は理解していなかった部分

が明確になります。

 

③ 学習用語と生活用語の“翻訳練習”をする

登録販売者に必須のスキルです。

学習用語:

「抗コリン作用により副交感神経の働きが抑制され、排尿困難が悪化する可能性がある」

生活用語:

「尿が出にくくなりやすい成分なので、排尿トラブルがある人は注意が必要です」

この練習は、専門知識を“お客様に届ける言語”へ変換する訓練

になります。

 

④ SNSやYouTubeは“補助教材”として使う

SNSや動画を否定する必要はありません。

むしろ、適切に使えば強力な学習サポートになります。

ただし、位置づけはあくまで、

・導入としての理解

・自分が読んだ内容の補完

・わかりにくい部分のイメージ作り

であり、

基礎学習を置き換えるものではありません。

学習の土台は、

書籍・添付文書・公的資料

に必ず戻ることが大切です。

 

日々の店頭業務でも役立つ「言語の使い分け」

登録販売者の仕事は、専門知識で判断し、生活用語で伝える

という言語の二重構造で成り立っています。

 

■店頭での例

お客様:「最近、胃が弱ってる気がして…」

生活用語では理解できますが、医学的には曖昧です。

ここで登録販売者は、学習用語の概念を使って

「何の問題か」を分類します。

・胃酸過多?

・胃の運動低下?

・粘膜の炎症?

・ストレス性の胃痛?

そして、判断を生活用語に置き換えて伝えます。

 

生活用語だけで説明すると、

お客様は理解しやすい一方、

登録販売者側が誤解したまま

案内してしまうリスクもあります。

 

逆に学習用語だけで説明すると、

専門的すぎて伝わりません。

だからこそ、

両方の言語を扱えることが、

登録販売者の専門性を支える柱となるのです。

 

最後に──
専門家としての基礎力は“読み解く力”から始まる

学習用語と生活用語の違いを知ることは、

登録販売者が専門家として成長するうえで、

本当に重要な第一歩です。

SNSやYouTubeで学ぶことは

決して悪いことではありません。

むしろ、現代の学習スタイルとして非常に便利です。

ただし、それだけで完結してしまうと、

・情報を正確に読み取れない

・理解が浅いままになる

・添付文書や法令文書が苦手になる

という大きな壁が生まれます。

 

専門家として必要なのは、

「学習用語を読める力」と

「生活用語へ翻訳して伝える力」の両方です。

その土台を作るためにも、

書籍を読む・繰り返す・書き出す・整理する

という原則は変わりません。

地道に続けるほど、確実に積み上がり、

やがて皆さんの強みとなって

店頭接客にも大きく活かされます。

登録販売者としてのレベルを一段高めたい人にこそ、

ぜひ「読み解く力」の育成に

取り組んでいただきたいと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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