お薬について

ポビドンヨードは新型コロナの予防薬ではない

こんにちは、登録販売者講師の仲宗根です。

4日に大阪府の吉村知事が会見で公表した「ポビドンヨードで唾液中のウイルスの陽性頻度が低下した」。放送後瞬時に、ドラッグストアの棚からポビドンヨードやイソジンうがい薬が売り切れ、全国でその後も余波が続いています。

普段、それほど売れない商品なため、在庫数もそれほど多くないはず。数分から数十分で全部売り切れたようです。

同じ時間帯に、私のところにも生徒さん達からポビドンヨードに関する質問メールが殺到し、変だなと思いながら、イソジンうがい薬のムンディファーマ社のサイトを開こうとしたら、アクセス殺到でサーバーがダウンしていました。

それで、テレビをつけてみたら吉村知事が会見で発表したことがわかったのです。

唾液中のウイルスが減少するのは、ポビドンヨードでうがいしたのですから、一時的には口腔内のウイルスが減少するのは当然ですが、吉村知事は・・

 

ポビドンヨードでうがいすることによって、コロナに打ち勝てるのではないかとすら思っている。

府民のみなさんには、8月20日までに集中的にぜひうがいを励行してほしい。

薬事法上の効能ではないが、コロナに効くのではないかという結果が出た。

 

このように会見で述べていました。

医薬品の仕事に従事している専門家なら、この話にかなり違和感を感じますよね。

市販薬は、基本的に効能・効果を外れた使用法を推奨しないわけですし、「効く」という表現は法的にも非常に重いですから。そして、自由にお店で買える商品ですから、買い占めが起こることは予想できたように思います。

 

 

厚労省は翌日すぐに「国として推奨する段階ではない」との見解を出していますが、すでに市販薬のお店では在庫が残っていないですし、今後も品薄状態が続くでしょうね。

うがいは、ポビドンヨードじゃなくても、水でも緑茶でも塩水でもいいと思いますし、新型コロナの感染予防には「手洗い」「マスク」「三密を回避する」この3つですから、消費者のみなさんも情報に煽られずに冷静になって欲しいなと思います。

中途半端な情報の公表に、それに扇動されて大騒動になってしまう消費者と、その対応に混乱している現場。

しばらくは騒動が続くかもしれませんが、正しい情報を伝え、使用できない人がいることや副作用なども含めて、冷静に対応していくことが大事ですね。こんな時こそ、専門家の出番です。同じ問い合わせが何度も続いたり、暴言を投げつけるようお客様もいるかもしれませんが、イライラせず、腐らずに丁寧な情報提供していただけたらと思います。

 

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