登録販売者について

登録販売者は薬剤師さんへ「つなぐ」係なのか?

2019年6月17日

毎日の業務、お疲れ様です^^

今日は、登録販売者の役わりについて、

私が常々思っていることを書いてみたいと思います。

 

しばしの間、お付き合いくださいませ。

 

 

知り合いの薬剤師さん達から、

一部の声ではありますが、

 

「登録販売者さんは、自分で調べようとしないで、

すぐに薬剤師に頼ってくるから困る・・」

 

という声を耳にすることがあります。

 

でも、その一方で、

 

「登録販売者は勝手に判断せず、

薬剤師の指示をあおぐべき」

 

「うちの店の登録販売者さんは、

必ず薬剤師に引き継いでくれるから信頼できる」

 

なんていう声もあったり・・。

 

薬剤師さんと登録販売者の関係性や、

店舗での連携の体制は、

会社や店舗によって違うので、

一概には言えませんが、

 

良い意味でも悪い意味でも、

多くの薬剤師さんには、

登録販売者は薬剤師より下・・という認識があり、

 

登録販売者側も、

薬剤師さんに頼らざるを得ない状況があるかと思います。

 

セルフメディケーションについて語られる時に、

登録販売者の名称がメディアで取り上げられることは、

まだまだ少ないですし、

 

国も、登録販売者の資格を国民に知ってもらうことに、

まったく積極的ではありませんね。

 

登録販売者のことを、

食品衛生責任者と同じような意味合いで捉えている業界人も、

少なくないですし、

 

簡単に合格できる現行の試験制度も含め、 

認知度の向上や資格者の資質向上には、

まだまだ超えられない課題があると思います。

 

 

薬剤師さんがいるメリット

 

以前、私の知り合いの登録販売者さんが、

こんな話をしたことがありました。

 

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薬剤師さんが常駐する店舗に転職が決まったので、

もう必死に勉強しなくても済みます(^^;)

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それまでは、登録販売者しかいない店舗で働いていたために、

難しい相談があると困ったそうですが、

 

新しい職場では、

困った時には薬剤師さんにバトンタッチできるから、

もう我武者羅に勉強しなくてもいい・・。

精神的に楽になった・・というお話しでした。

 

気持ちはとても良く分かります。

 

そして、

薬剤師さんがいて、

難しい対応を迫られた時に交代してもらえる仕組みがあるのは、

とても良いことですね。

 

登録販売者には法的に出来ない情報提供がありますから、

薬剤師さんがいてくれるのは、

登録販売者にとって・・というより、

お客様にとって大きなメリットがあります。

 

最終的に薬剤師さんに交代してもらえるなら、

登録販売者は知識がなくてもいいのか?というと、

決してそうではありませんね。

 

 

登録販売者と薬剤師は役割が違う

 

東京・神奈川や大阪などの都市部では

薬剤師さんが一般的なドラッグストアで常駐していることは、

珍しくないのですが、

 

首都圏以外では、薬剤師さんがまったくいない店舗

(登録販売者のみで回している店舗)が、大半を占めます。

 

全国的に見てみると、

薬剤師さんがいない店の方が、

実は圧倒的に多いのです。

 

現実的に考えて、

ドラッグストアに薬剤師を多く配置するのは、

コスト面で無理がありますし、

 

もうすでに、事実上、

市販薬の現場は登録販売者のものになっています。

 

そもそも、

医療用医薬品を扱う調剤薬局(保険薬局)と、

市販薬を主に扱う店舗販売業では、

その役割が違います。

 

そして、

薬剤師さんと登録販売者も、

どちらが上とか下とかではなく、

単に役割りが違うだけだと私は考えています。

 

医師の処方箋にもとづいて医薬品を揃え、

処方のミスがないかチェックしたり、

患者に服薬指導を行ったり、

薬剤師さんの仕事はとても重要です。

 

薬剤師さんは、医師が処方した医薬品を見れば、

その人の病気が何なのかすぐに分りますし、

 

薬剤師さんの医学・薬学の知識量は、

登録販売者の比ではありません。

 

一方の市販薬は、その主な目的が対症療法で、

消費者が自分自身で薬を使用して、

不調を改善したり健康を維持するために用います。

 

お客様は店頭で症状を訴えますので、

私たち登録販売者は、

症状からその人の不調を見極めて、

その不調を改善するための商品を選び提案します。

 

医療機関での治療というより、

日常生活の中でのケアや改善方法を情報提供していきますので、

 

知っておくべき知識の種類や範囲、

接客で必要なスキルが違うのです。

 

もちろん、登録販売者も、

医療用医薬品についての知識や、

病院で行われる治療法についての知識は、

持っておく必要があると思います。

 

現行の試験では、

医療用医薬品のことを学ばないですし、

相互作用や持病のある人の対応も、

試験勉強では身につきません。

 

だからこそ、

合格後に、必要な知識を自分で身につける必要があると思います。

 

わからないから薬剤師さんに交代・・という場面を、

減らしていく努力をしていかなければいけません。

 

登録販売者は、

単に、お客様を薬剤師さんに引き継ぐ係ではないということです。

 

引き継ぐだけなら、

ものすごく楽ですけどね(^-^;

 

市販薬の現場に登録販売者がいる意義を、

登録販売者自身が見出していかないと。

認知度は上がっていかないでしょう。

 

薬剤師さんとの連携はとても大事ですが、

それには登録販売者が自立できていることが前提だと思います。

 

そのための知識やスキルを身につける場が、

もっと増えるように、私も頑張らなければ。

 

そうした意識が当たり前の意識になればいいなと、

あらためて思います。

 

 

最後までお読みいただき、

ありがとうございました(*^-^*)

 

 

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